釈迦ヶ岳
山行記録  [ back ]

フリガナ シャカガタケ 
山域・山名 御坂山塊  釈迦ケ岳 1641m
日   時 2000年  6月25日(日) 
天   候 曇り 
行   程 登山口駐車場(8:40)[林道]−   登山口(9:10)−分岐(9:45)−山頂(10:25-35)−府駒山(11:10)−どんべい峠(11:40)−すずらん畑(12:10-13:35)−登山口駐車場(14:20) 
所 在 地  
2.5万図  
緯   度  
経   度  
備   考  


何気なく携帯をみると着信ありと表示されている。番号を見ると中野さんからだ。
登山口にある駐車場

 何の用かと電話を入れたら、来週山に生きませんかとお誘いの電話である。来週ねえ、うーんちょっとキャンプにでもーと言うと、そんなのキャンセルして山に行きましょうよと何時になく強引に勧誘されて、御坂の釈迦ケ岳に行く事になった。
 中野さんは8月に穂高岳山行を控えており、その訓練を兼ねてどうしても今月、来月と山に行きたいらしい。
 
 梅雨真っ盛りのこの時期は当然雨が降る確率が高い。雨だからなどと言っていたらそれこそこの時期山になど行かれない。カッパを着て、ビショビショになりながらの山行もたまにはいいくらいの意気込みが必要である。
クサタチバナ

 そうは言ってもやっぱり晴れた方がいいに決まっているが、残念ながら家を出ると雨が降っていて、山行中だけでもなんとか止んでくれないかと思わず空を見上げて車に乗り込んだ。

 全員が揃って登山口に向かって走り始めたが、雨は一行に止む気配が無い。精進湖をすぎて芦川村の方へ入って行くと何となく空が明るくなって来た。



 アヤメ


 登山口に到着すると雨は完全に上がっている。これだから現地まで行ってみなくちゃ判らない。
 登山口まで林道が続いているが、同じ道を帰って来ないので、登山口には入らずにちょっと手前に車を止めることにした。
 今日は雨が降り出すまでの時間が勝負なので、あまりゆっくりもしていられない。

ニシキウツギ




 そそくさと出発準備を済ませ、登山口に通じる林道を歩き始めた。林道脇は雑木林で、雨に濡れたアヤメがいい色を見せている。オダマキやサンショバラも咲いており、こんな日に山に来る酔狂な者も我々以外に居そうも無く、静かな山歩きとなりそうだ。
 駐車した場所から写真を撮りながらゆっくり歩いて30分、登山道入り口に到着した。

釈迦ヶ岳山頂にて

 雑木林が生い茂る中の登山道は薄暗くかなり急で、木々の葉が濡れているので、風が吹くと雨のように落ちて来る。
 今回は中野さんにリーダーを任せてあるので、その指示に従って黙々と着いて行くのみである。
 途中ヤグルマソウ、ヤマボウシが咲き、写真を撮って名前を忘れないようにしっかりとメモしながら歩いていると、ひょっこりと片側が開けた場所に出た。
 天気が悪く真っ白で景色はなにも見えず、屏風岩だけが異様な姿で見えている。ここでちょっと休憩をして、最後の登りに取り掛かる。
 木につかまり、岩をしっかりつかんでの登りは、雨に濡れていてとても滑りやすい。途中でバランスを崩しそのままズルズルと滑ってしまい、手足を擦りむいてしまった。首から下げていたカメラがいけなかったようだ。
 この辺りにはまだツツジが咲いてる。ヤマアジサイ、タニウツギ、ドウダンツツジなども綺麗に咲いていて、山頂まで続いている。

山頂にある石仏

 山頂には南無妙法蓮華経の石碑があり、石仏が2体並んで建っている。晴れていれば、富士山をはじめ、多く山々が眺められるんだろうが、生憎と雲に隠れていて、見えるのは真っ白な風景だけだ。
 天気さえ良ければここで景色を眺めながら昼食にしてもよいのだが、今日は雨との競争なので写真だけ撮ってしばらく休憩しただけで出発する事にした。

 下り始めはかなり急で、木につかまりながら滑らないように一歩一歩慎重に降りて来たが、途中で何度か中野さんが滑っている。今日は一体どうしてしまったのだろう。
 この急な箇所を過ぎればあとは尾根筋をだらだらと行くだけだ。この時期になると虫が多くなり、やたらとまとわりついてどうしようもない。
 先頭を歩いていると、登山道に出っ張った葉が雨に濡れていて、ズボンに触れる度に濡れるので腿から下がびしょびしょになってしまう。

ヤマシャクヤク

 30分くらい歩いた所で府駒山に着いた。木に覆われていて展望がゼロなのになぜか三角点が設置されている。
 三角点をなぜただけで先を急ぎ、アップダウンの少ない登山道をしばらく歩くとひょっこりと林道に出た。
 ここまで雨にも降られず、なんだか天気も持ちそうである。ここから黒岳は直ぐそこだがどうしたものか、中野リーダーの指示を仰ぐと今日はこのまま林道を予定通り下りましょうと言うことで、一同てくてくと林道を下り始める。

イカリソウ

 林道途中にあるズズラン畑で昼食を取り、既に咲き終わってしまったスズラン畑の中を歩いてみると、ヤマシャクヤク、グンナイフウロ、イカリソウ、ベニバナイチヤクソウと思わぬ花が咲いていて、ちょっと得した気分だ。
 スズラン畑を出て中野さんがトイレに行って来ると言うので待っていると、トイレから戻って来て、知らない人と話をしている。
 何を話していたのかと思えば、声をかけられて、なにやらカードを貰って来た。
表にはアツモリソウの写真、裏には展望図が描かれていて、私はテレホンカードでもくれるのかしらと思ったとチャッカリした事を言っている。
 我々が貰えず、中野さんだけとは一体どういう事だ。なんだか女性は徳だな。

ベニバナイチヤクソウ

 ここから駐車場まではひたすら林道を歩くだけ。舗装された道を登山靴で歩くと底が固いのでとても疲れてしまう。
 林道を歩いていると何だか薄日まで差して、幸運にも最後までカッパを着ることもなく駐車場に無事到着。

 帰りは山中湖にある花の都公園に寄りたいとの事で山中湖に向けて車を走らせた。時期的なものなのか、花はそれほど咲いておらず、そのまま「紅富士に湯」に向かう。
 かなり大きな駐車場は満車状態で、これじゃしょうがないと出て来てしまったが、他に風呂の見当もつかず、富士急ホテルで入浴しようと引き返したが、どうせなら話の種にと曽我さんが言うので、また「紅富士の湯」に引き返した。

サンショバラ

 入って行くとお風呂も大きく、洗い場も沢山あるので、心配したほどの混雑もなく快適である。
 風呂から上がって、休憩所に陣取り、運転は曽我さんに任せて大谷さん、中野さん、私の3人はよーく冷えた生ビールで乾杯!
 いやーいつもながら、山登って温泉に入って飲むビールは又格別である。
 
この時期の山行にしては雨に降られることも無く、花を愛でながら人に会うことのない静かな山行であった。


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