入笠山
山行記録  [ back ]

フリガナ ニュウガサヤマ 
山域・山名 入笠山 1955m
日   時 2000年2月6日(日)から2月7日(月) 
天   候  
行   程  
所 在 地 長野県上伊那郡 高遠町、長谷村、諏訪郡富士見町 
2.5万図 信濃富士見 
緯   度 35.5335 
経   度 138.1029 
備   考  


 富士見パノラマスキー場にスキーをやりに出掛けた。もちろん天気がよければ入笠山に登る事も考えて、登山の支度もして行く。
 日曜日の午前中愛車のプラドを1年点検に出してそのまま箱根まで行き、彫刻の森美術館の駐車場で杉本さんの荷物を積み込んで、杉本さんの車を運転して、銀豆腐で豆腐をお土産に貰って帰って来る。
 どうしてこんな面倒な事をしたかと言うと杉本さんが仕事の為に早く出発する事が出来ず、それなら暇な私が車を回送して電車で箱根まで行けばかなり時間短縮になるのではないかと考えたからである。

 今日はあまり天気が良く無く、午前中から雨が降り出している。車を置いて昼飯を食べて傘をさして家を出た。

 小田原から強羅行きの箱根登山鉄道に乗った。この電車に乗るのも随分と久しぶりで、二両編成の電車は既に始発の小田原駅で満員の状態で出発した。
 私は運良く一番端に座ることが出来てコミック雑誌を読みながら電車に揺られていた。
 電車は風祭をはじめ各駅に止まりながら箱根湯本に到着した。この駅でほとんどの乗客が下車してしまい、入れ替わりに乗って来た人でちょうど席が埋まり立っている人がいないくらいの状態となった。
 電車はこの先スイッチバックという方式で前に進んだり、後ろに進んだりしながら急な箱根路をのろのろと登って行く。
 余りの遅さにあきれてうたた寝をしているうちに彫刻の森駅に着いた。ここまで小田原から約50分運賃は650円であった。

 彫刻の森美術館の駐車場で車に乗り杉本さんを迎えに行き、138号線を走って御殿場から東富士五湖道路を河口湖で降りて一宮御坂から中央高速に乗る。
 今年は雪が少ないと言われているが、ここまでほとんど白い箇所は見当たらない。
 今日は日曜日なので皆が帰って来るのとは逆の方向に向かっているので車がほとんど走っていない。
 登り車線をみるとやはりそれほど車が走っていない。おやおかしいなそんな事は無いはずだがと思いながら走っていると、前方に赤色灯が回転している。
通り過ぎる時に見ると1台の車が横転している。この後の上り車線は大渋滞、どうりで今まで空いているはずだ。
 この大渋滞を横目に「これだからとても休日になんか出掛けられない」などと言いながら下り車線を快調に走って行く。
 今日はずっと雨だったが須玉まで来るとこの先雪と電光掲示板に表示されている。あっと言う間に周囲は白くなり、いきなり雪国の様相を呈してきた。道路に雪が積もりはじめた頃、諏訪南ICに到着。

 高速を降りて一般道に入ると道路に雪が積もっている。前を走っていた大阪ナンバーの軽自動車は信号待ちの後発進するのによたよたしている。この車は直進して行ったが我々は右折して、ホテルニューふじみを目指した。

入笠山頂にて八ヶ岳をバックに

 宿は4回建てで立派である。スキー場の直営ホテルで第三セクターが運営しているそうだ。日曜日なので客もあまりいそうにない。
 料金はスキーのリフト、ゴンドラ1日券付きで1泊2食10,500円の平日パックと言うのを利用した。これが決め手となってこの宿を予約したのだ。
 それにしても休日以外だと料金は安いし、空いているしでいい事ずくめである。これだと本当に休日はバカらしくて出掛けられなくなりそうだ。

 部屋は2人と言うことでツインのベットである。男2人の部屋には相応しく無い気もするがまあ仕方が無い。
 夕食前に風呂に出掛けて行くと誰も居なくて貸し切りである。内風呂しかないが洗い場も広くてこれで温泉だったら言う事なしである。
 夕食は入り口の所にあるレストランで食べる事になっている。ビールを注文して早速乾杯。窓の外は相変わらず雪が降っている。道路にもかなり積もっている。
 つまみにお新香と鳥の唐揚げを注文して、熱燗をぐいぐい飲んでご飯と味噌汁はとても食べられないので遠慮した。
 部屋に戻るとちょうどNHK大河ドラマ「葵徳川三代」が始まったのでベットに横になりながら見始めた。
 隣で杉本さんが早くもいびきをかいて寝てしまっている。私も何だか眠くなってきたのでテレビを消して寝てしまう。

 昨日は21時前には寝たと言うのにどうもスッキと起きられない。いつまでも布団に入っていたい心境だ。しかしそうも行かずに起きあがり、窓の外をみると青空が広がっている。道路は昨日の雪が凍りついていて危ない感じだ。

 朝食を済ませて部屋でスキーウェアーに着替え、フロントで清算をしてスキー券を受け取る。
 フロント脇にあるプリクラのような機械の前に立ってボタンを押すと、顔写真入りのゴンドラ・リフト共通券が出て来た。こんな券は初めてである。腕に付けるのがなんだかちょっぴり恥ずかしい。

 宿からスキー場までは車で10分くらいの距離だ。凍っている個所があるので慎重に運転してスキー場に向かう。
 平日なので一番上の駐車場に車を止める事ができた。大型バスを連ねてやって来た修学旅行と思われる長崎からの集団もいる。

 ゲレンデに着いて見渡すと、スノーボーダーの姿がやたらと目に着く。最近はスキーヤーの方が少ないようだ。
 足慣らしにリフトに乗って1回滑り、ゴンドラに乗って上に向かう。山頂駅を降りて入笠山の標識の方を見ると1人スキーで歩いて行く姿があった。
 天気は最高で景色も抜群である。八ヶ岳も目の前に白く大きく見えている。
 一気に滑りおりて、ちょっと疲れたのでコーラを飲みながら休憩し、入笠山に登るためにスキーを車に積んで登山靴に履き替えて再びゴンドラに乗った。

 山頂駅から標識に従って入笠山に向かう。途中でスキー板を担いで戻ってくる人に会った以外は人影もなく、途中から足跡も着いていない雪道を2人で足跡を付けながらもくもくと歩いて行く。
 まさしく雪山の中にたった2人である。静まり返った山の中は我々が雪を踏みしめる音以外は何も聞こえない。

 マナスル山荘に着くとご主人は外で薪を割っている。ドアを開けて中に入るとにこにこしながらおかみさんが出て来た。
 昼食に山菜ソバを注文し、待っている間に野沢菜を出してくれたのでお茶を飲みながら食べる。これが冷たくてとても美味しい。
 山菜ソバも美味くてつゆまで全部飲みほしてしまう。一緒に出て来たたくあんが又うまい。

遠くに白い山並みは北アルプス

 しばらくのんびりしていたが、とにかく山頂に行って来ようと山荘を出た。去年2回来ているので道は判っている。
 しかし登り始めてすぐに吹き溜まりに入ってしまい、思わぬラッセルをする事になってしまった。
 股の辺りまで雪に埋まりながらラッセルをしていると、下の方から声が聞こえて来た。見ると女性の二人連れが登って来る。
 我々は少しでも雪に埋もれない道を探しながら脇にそれて歩いていると、あっと言う間に追い越されてしまった。足元には何とスノーシューを装着しているではないか。
 初めて実際に着用している所を見てその性能の凄さに驚いてしまった。我々が深く潜ってしまうような所でも潜らずにすいすい歩いて行ってしまう。こんなにも素晴らしいのもだとは思いもよらなかった。これは絶対に買わなくてはいけない。
 あまりにも雪に潜ってしまいちっとも進まないので、バラ線を乗り越えて牧場の方を歩いて行くことにして乗り越えられそうな所を探し牧場の方にでた。すると下から男の人が登って来た。尋ねてみると、やはり初めてだと言う。ラッセルの後を使わせて頂いてありがとうございましたと御礼を言われてしまう。牧場もすぐに深雪となってしまい、仕方なく元の登山道に戻り、がむしゃらにラッセルして何とか吹き溜まりを抜け出した。
 山頂手前で又深雪に苦労させられてようやく山頂に着いた時には息も荒く、汗ビショリの状態である。先程のスノーシューの女性は何事も無かったかのように景色を眺めている。

 苦労して登ったかいがあり、山頂からの景色は最高である。昼を過ぎていたにもかかわらず、雲一つ無く、南アルプス、富士山、奥秩父の金峰山、八ヶ岳、北アルプス、乗鞍岳、御嶽山、中央アルプスと展望がほしいままである。

 下りは途中まで元来た道を下り、それから右にそれて獣道らしきところを通ってゲレンデの上に出て、そこから又本来の登山道に戻り、マナスル山荘まで戻って来る。
 でもちょっとへんなトレースを付けてしまったみたいだ。このあとこのトレースを辿って行く人に何だか申し訳が無い。

 再び山荘に入ってきな粉餅を食べながら、登山道を聞いてみると夏道をそのまま行けばいいと言われ、雪の多い時は半日かけて登る人もいるそうだからあなどれない。

 今では山荘前のゲレンデでスキーをする人も無く、訪れるのは中高年登山者が殆どで久しぶりに若い人に会ったとおかみさんは言っていた。
 山荘ではクロスカントリースキーの貸し出しもしていたがラッセルで思わぬ時間を取られてしまい、疲れていたので又の機会にすることにして、山荘を後にした。

入笠山山頂から見た八ヶ岳連峰と八ヶ岳高原

 再び雪道を歩いて、ゴンドラ駅まで行き、下りのゴンドラに乗って戻って来る。
 何だかスキーをする気も無くなってしまい、そのまま車に荷物を積んで温泉に入りに鹿の湯に向かう。
 いつもは休日で混雑しているが今日は空いている。ゆっくりと露天風呂に入って、ロビーで私はコーラ、杉本さんは缶ビールを飲んで小渕沢から中央高速に入り、行きの逆コースで帰って来た。


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