鷹狩山・長峰山
山行記録  [ back ]

フリガナ タカガリヤマ・ナガミネヤマ 
山域・山名 鷹狩山・長峰山 
日   時 1999(平成11年)年3月21日(日)〜22日(月) 
天   候  
行   程 沼津IC(5:30)−大町山岳博物館(10:10)−鷹狩山山頂(11:50-12:30)−大町山岳博物館(13:25)
 

長峰山荘(10:45)−長峰山(12:20-13:05)−長峰山荘(13:40)
 
所 在 地  
2.5万図  
緯   度  
経   度  
備   考  


安曇野平野は雪化粧

 今回は低山のスノーハイクと50万株の福寿草が自生しているという四賀村の福寿草群生地の見学を目的に、春めた陽気に誘われて長野へと出掛けて行くはずが…… 
 出発前日は低気圧の影響で1日中冷たい雨が降り、箱根では雪が降るという冬に逆戻りしたような天気となってしまった。
 夜も明け切らぬ朝5時に道路の積雪状況を心配しながら長野に向けて出発。
 ここで今回の山行から「プラちゃん号」が我々の山行の足として新しく仲間に加わったので、少し紹介しておこう。

 ランドクルーザープラド、通称「プラちゃん号」、2700ccガソリンエンジン、フルタイム4WD、8人乗り、高速道路から雪道・林道までオールラウンドで活躍する心強い仲間である。
 スペちゃん号との思い出を振り返ってみると守門岳、雨飾山、金峰山、尾瀬と車中泊を共にし、中央高速をエンジン全開でオーバーヒート寸前、片道750キロの東北の山旅など、実に色々な山に出掛けて行ったものである。我々の山行に欠くことの出来ない仲間として実によく活躍してくれた「スペちゃん号」であった。

 てな事がありしましてちょいと横道にそれましたが、本題に戻りましょう。「プラちゃん号」に乗った我々4名は御殿場から東富士五湖道路へとやって来たが、昨日降った雪で辺り一面銀世界である。
 中央高速に入っても両側に除雪された雪を見ながら諏訪SAで休憩、朝食をとって、ここで藤生さんが皆に昼食用のパンを買ってくれました。
 順調に豊科ICを出て、大町山岳博物館の駐車場に車を止めて出発準備をしていると、博物館の人がやって来て、「おととい迄はすっかり雪も無くなっていたんですけどね」「昨日1日でこんなになってしまいました」「でも今日は常念岳が見えているので景色は良い方よ」と言っている。少しは山頂からの景色が期待出来るかな。

 今日の行程はタクシーで反対側へ廻って登り、ここへ降りてこようと思っていたのだが天気の方も心配だし、あまり標識も無いようなので、ここから直接鷹狩山に登って同じ道を下って来るコースに予定を変更して登山道を登り始める。

 もちろんロングスパッツを着けてストックを持ち、最初から雪道を歩いていく。降り積もった雪は真っ白で足跡一つない登山道に我々の足跡を付けて行くのは実に気分のいいものである。
 周りは赤松に囲まれていて、しばらく行くとキャンプ場らしい場所に出る。時々突然の大雪にビックリしたのか鳥の鳴き声が聞こえるが何という鳥かわからない。
 登山道はまだ続いており、サクサクと雪を踏み締めて進んでいくと突然林道に飛び出した。
 雪の積もった林道を山頂目指して歩いて行くと、チラチラと白い物が舞い降りて来る。どうやら又雪が降って来たらしい。
 両側の木の枝には雪が積もってうなだれている。藤生さんがストックで叩くと、パッと雪が落ちて勢いよく枝が持ち上がる。季節はずれの雪にさぞ木も迷惑な事だろう。

 山頂に着く頃には本格的な雪となってしまい相当冷え込んでいる。幸い山頂には大きな展望台があり、階段を登って中に入るとガラス張りの展望室がある。
 ここから後立山連連峰が青空の下に真っ白な姿を現すはずが、生憎と外は雪が降っていて何も見えない。
 しかしこの展望台の中は暖かくて昼食を取るのに好都合の場所であった。
 本来山頂まで車で来ることが出来るため、観光シーズンにはちょっと興ざめするところだが、こんな雪の日に歩いて登って来る酔狂な者は我々以外に無く、中にあった長椅子を二つ並べて諏訪SAで買ってきたパンを食べながら暖かいコーヒーを飲む。

 外は相変わらず雪が降っているのでカッパを来て元来た道を下山する。
 せっかくなので大町山岳博物館を見学して、四賀村へと向かう。

 昨日降った雪がかなり積もっている状況を考えると福寿草は雪の中かもしれない。福寿草群生地に寄って様子を見てから宿に行く事にして、群生地に行って見ると駐車場に止まっている車も無く、傘をさして群生地の中に入ってみたが、辺り一面真白な雪が降り積もっているだけで黄色い福寿草の姿は見られない。このままで行くと明日も福寿草はだめかも知れないと思いながら宿へと向かう。

 今日の宿泊地は「アンシャンテ東山館」である。村営の宿で温泉は「美人の湯」だそうだ。
 部屋に入って外を眺めると相変わらずかなりの雪が降っている。
 温泉はかなり熱く、長くは浸かっていられない。夕食は大広間にお客毎に用意されており、かなりの品数がある。

 夕食後いつもなら部屋に帰って飲み直すところだが、朝早かったのかまだ夜8時過ぎだと言うのに杉本さんが一番に寝息をたてている。9時過ぎに曽我さんが布団に入り、藤生さんは寝る前に風呂に入りに出かける。
 折角つまみに野沢菜を頼んでワインと日本酒を曽我さんが用意してくれたが誰も飲まずに寝てしまう。

 翌日は雪もやんで天気が回復している。宿の前の道路にはかなり雪が積もっており、朝から除雪車が作業に追われていた。
 朝食に行った時に車を見るとフロントガラスから屋根にかけて10センチ以上も雪が積もっている。

 今日の行程は福寿草を見て、車で長峰山を廻って帰る予定だったのだが、恐らく福寿草は雪の下でダメだろうから長峰山に歩いて登ることに予定を変更して宿を出発する。
 もしかしたらの期待を抱いて福寿草を見に行ったがやはりダメだった。辺り一面真白で黄色い姿はどこにもみえない。藤生さんがお土産に福寿草の鉢植えを買って車に乗せて置いたらいつのまにか綺麗に黄色い花を開き、これで福寿草はよしとしよう。
 福寿草園をあとにして車で行く予定であった長峰林道へと向かう。長峰山荘と書かれた看板が見えたのでここで道を聞いてみることにする。

鷹狩山からみた美ヶ原方面の山並み

 杉本さんが聞いて来ると、ここからでも標識は無いが山頂まで登山道があるという。折角登山道があるのなら林道を歩くよりもいいのでここに車を止めさせてもらって、ここから往復することに決定。
 宿の人に「この雪じゃかなり苦労するかもしれない」と言われながら出発していく。今日は昨日よりも天気はいいが、風が強くて寒い。
 大きな水道タンクの脇を通り抜け、登山道に入っていく。赤松の中に階段状の道が付けられていて、その上に雪が積もっている。
 最初はそれ程の積雪でも無かったが登って行くうちに段々と積雪量が増していく。時々腿の辺りまで雪に埋まりながら私が先陣を切って雪を踏み締めながら登っていく。

 山頂近くなって林道に出た。この先が山頂である。すぐ先にあずまやがあり、雪を乗り越えて行こうとするといきなり腰の辺りまで埋まってしまう。四つん這いになって這うように乗り越えて見ると、平らな山頂は真白な雪が風で縞模様を造っている。
 この先に大きなモニュメントがあり、展望台がある。展望台に登って見渡すと、眼下には雪で真白な安曇野の田園風景の中に犀川が流れ、昨日は見ることが出来なかった常念岳が見えている。ぐるっと見渡すと景色はいい。

 風が強いので、風があまり当たらない所まで下って昼食にする。私は雪を踏み固めてそこにシートを敷いて座り、曽我さん、杉本さん、藤生さんは林道に座り込んで昼食を取る。
 丁度食事が終わった頃に突然1台のジムニーが林道を走ってくる。お互いにビックリして慌ててシートをずらして道を空けた。ジムニーの運転手もまさかこんな日に道の真中に座り込んでいる人が居るなどとは思いもしないでさぞビックリした事だろう。

 山頂からの景色も眺め、食事も終わったので元来た道を引き返して下山する。
 下りの時は、えっもうついたの?と言うくらいあっというまに長峰山荘に着いてしまった。

 昨日と同様、林道で1台の車に会った以外は登山者にも会わず静かな山であった。

 下山して長峰山荘で入浴をさせてもらう。1人350円である。女風呂は内風呂と露天風呂が一緒になっている。男風呂は内風呂と露天風呂が離れていて内風呂から露天風呂までは廊下を歩いて移動しなくてはならない。宿の人いわく、 「これは構造上の問題でどうにもなりません」「ん…???」分ったような分らないような変な言い訳である。露天風呂を覗くと熱いらしいので内風呂で汗を流してお仕舞いにする。

 風呂の後は長野に来たらそばでしょという訳で宿の人においしい蕎麦屋を紹介してもらう。明科駅近くにある「高野屋」。こしがあってつけじるは薄いがダシが効いていておいしかった。

 帰りは豊科から岡谷まで渋滞にあいながらも、比較的順調に戻ってくる。
 二日間共人に会わずに静かな山行であった。但し予想外の雪にあってしまい福寿草群生地が見られなかったのがチョット残念であった。
 


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