身延山
山行記録  [ back ]

フリガナ ミノブサン 
山域・山名 身延山 1153m
日   時 1997年(平成9年) 1月15日 水曜日 
天   候  
行   程 身延山久遠寺(11:20)−大光坊(25丁)(12:04-17)−法明坊(40丁)(13:02)−奥ノ院(13:27) 
所 在 地 山梨県南巨摩郡早川町、身延町 
2.5万図 身延 
緯   度 35.2393 
経   度 138.251 
備   考  


 昨年の12月に忘年山行に予定していた篠井山が中止になってしまったので、あらためて新年山行をと言うことで篠井山に出掛けて行った。

 1月5日に今の時期としてはめずらしく篠井山方面でかなりまとまった雪が降り、その後も残雪としてかなり沢筋に白い物が残っているようだ。
 天候はこの時期特有のよい天気で風もなく、1月の山登りとしては日溜まりハイキングが楽しめそうである。

 ところが、篠井山登山口迄の林道が工事のため1月7日より通行止となっており、ここから歩いて登ったのでは時間的に余裕がなく、御堂部落からの登山口も地元の人に聞くとあまり登られていないとの事で、篠井山はあきらめてこの近くにある他の山へと言うことで身延山に向かう。 

 身延山は下からロープウェイが運行されており、7分で頂上の奥の院へ行くことが出来る。

 我々は山へ登るつもりで来たのだから、ロープウェイで上がってしまっては何の意味もなくなってしまう。

 久遠寺で今年1年間安全に山登りが出来ますようにと祈願をして出発する。
 本堂の裏手にコンクリート舗装された参道がついており、時折車が上がっていったり、下って行ったりしている。
 参道の周辺は墓地が点在しており、先ほどの車は檀家の人らしい。どの墓を見てもりっぱな物ばかりで中には圧倒されてしまうような墓もある。
 参道には各地点に何丁という標識が設置されていて、本堂の裏が9丁だったので、たぶん下の正門が起点になっているのかもしれない。
 上からくだって来る男性に曽我さんが「山頂は何丁ですか」と、尋ねると「50丁です」と、教えてくれたので我々はまだ半分も来ていない事になる。

 参道も25丁になると大光坊という宿坊が建てられている。水道と屋根付きのベンチも用意されており、ここで小休止する事にする。
 藤生さんが持ってきたあんパンを食べながらジュースを飲んでタバコに火をつける。この参道は指定場所以外は禁煙なのである。

 この大光坊より上は車両通行止となり舗装も終わって、ようやく登山道らしくなる。雪もそこそこ積もっており、富士山も見えるようになり40丁に法明坊という宿坊が建っている。
 今は病気のために閉鎖中と貼り紙がしてある。当たり前のことだが、お坊さんも病気になるのである。

 ここから上はますます雪の量が増えて雪質の方もしまってかなりよくなってくる。しかし、アイゼンを使用する程のものでもない。
 40丁より上は各丁が短くなっているのか、次から次へと丁の標識が現れる。一体何を基準に建っているのかさっぱりわからない。

 下から登ること2時間、山頂奥の院へ到着。
 ロープウェイで上がって来た人から見れば、山登りの恰好をしている我々は一体どう思われているのだろうか。
 それくらいここへ来る人々はみなロープウェイを利用するので参道を歩いてやって来るようなものはめったにいないだろう。
 しかし本来は下から自分の足で歩いてやって来るのが筋のような気もするのだが。そんな事はさておいて、とりあえず奥の院に参拝して昼食をとる事にする。
 半分観光地のような所だから食堂もあるが、折角自分たちで背負って来た食料なので、見晴らしのよいベンチにこしかけて山並みを眺めながら食事をする。
 今日は篠井山へ行くつもりで出掛けて来たので時間的に遅くなってしまったので、下りはロープウェイを使用することにした。

山頂駅へ向かう途中に、展望台なる看板を見付けたのでそちらに入って行くと見える、見える、看板に書かれいてる山が全部見えている。茅ケ岳・八ケ岳、北岳・農鳥岳・間ノ岳・・・
 こんないいところがあったのならこちらで食事をとればよかったと思う程である。それにここが身延山の本当の山頂らしく標識も設置されていた。

 ロープウェイは20分間隔で運行されているが、今日は臨時にどんどん出ており、あまり待たずに乗ることが出来た。

 ロープウェイの中の説明によると、今日我々が登った参道は、日蓮大聖人が身延山に滞在した9年間、毎日欠かさず参拝のため登ったと言っていたが、750年も前のことだから今とは違い、道もそれほど広くなかったに違いない。
 それよりもなによりも9年間1日も欠かさず登り続けるとはさすがに大したものである。
 昨今の訳が分からないインチキ宗教家を装って、金儲けに走っているような奴らにつめの垢でもせんじて飲ませたいくらいだ。

 今回はたまたま篠井山が登れずに、しかたなく身延山にやってきたのだが、こんな機会でもなければ登るような山ではないので、いい体験をさせてもらったと思っている。


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