八ヶ岳(硫黄岳・横岳・赤岳・阿弥陀岳)
山行記録  [ back ]

フリガナ ヤツガタケ 
山域・山名 八ケ岳(硫黄岳2742m・横岳2835m・赤岳2899m・阿弥陀岳2805m) 
日   時 1995年8月12日(土)−14日(月) 
天   候 晴れ 
行   程 8月12日土曜日
沼津IC(12:26)(東名)御殿場IC(12:41)−須走IC(13:35)(東富士五湖道路)河口湖IC(13:50)−御坂トンネル(14:20)−御坂IC(14:40) (中央道)小淵沢IC(15:40)−美濃戸口(16:05)−美濃戸山荘(16:25)

8月13日日曜日
美濃戸山荘(6:50)−赤岳鉱泉(8:50-9:08)−赤岩の頭(10:30)−硫黄岳(11:05)−硫黄岳石室(11:40)−横岳(12:30-13:03) − 山渓石室赤岳展望荘(14:20)


8月14日月曜日 
山渓石室赤岳展望荘(6:00)−赤岳(6:35) − 中 岳(7:30) −   行者小屋分岐(7:45) −阿弥陀岳(8:15) −行者小屋分岐(8:45)−行者小屋(9:45-10:00)−美濃戸山荘(11:50)
 
所 在 地 山梨県・長野県 北巨摩郡高根町、北巨摩郡大泉村、茅野市、諏訪郡原村、南佐久郡南牧村
2.5万図 八ヶ岳西部 
緯   度 35.5803 
経   度 138.2223 
備   考  


8月12日土曜日

 梅雨明け以来連日好天に恵まれている。今回の八ヶ岳登山も天気の心配はないようだ。
  これもひとえに日頃の行いがよいせいか?又は晴男のパワーか?。とにかく絶好の登山日和に間違いはない。

硫黄岳山荘方面

  ウー八ヶ岳が俺をよんでいる。はやる気持ちをおさえつつ藤生さんを迎えにいく。
 駅で藤生さんをのせて一路杉本氏の待つ会社へ。杉本氏は午前中仕事ということでスーパーの駐車場に車を置いて、昼食に明日の登山にそなえて二人で焼肉定食を食べる。
 仕事を終えた杉本氏が昼食のすしを買って現れる。なにはなくとも昼食だけは真っ先に持って現れるあたりはさすがである。

 杉本氏が車内で昼食をとる間、美濃戸山荘へ向かって出発。お盆の時期と重なって渋滞が予想されるが御殿場まではますまず順調である。
 御殿場ICで運転を杉本氏と交代。予想通り須走ICまで間早速渋滞にはまりこむ。杉本氏はなにやら抜け道を覚えて来たようだが、判断をあやまり結局渋滞につかまってしまった。しかし渋滞中の運転スペシャリストの杉本氏なので何の心配もない。

 東富士五湖道路に入ってからは渋滞もなく快調に走り出す。御坂でトイレ休憩をして運転を交代。いよいよ中央道へ。
 どうも6月の蓼科山登山以来、愛車は中央道の標高差900mの登りで機嫌が悪くなる。

 今回も須玉を過ぎたあたりでへそを曲げてラジエターの温度がぐんぐん上がり始めてしまった。
 仕方がないので八ヶ岳PAでしばし休憩を取ることにする。さすがにお盆の時期だけあって大変混雑している。
 20分ほど休憩ののち出発。機嫌が悪いのをだましだまし小淵沢ICへ。小淵沢から美濃戸口までの間、クーラーを切ってさわやかな風をあびながら高原の中を走り抜ける。

 ようやく美濃戸口へ到着。さすがに南八ヶ岳の登山口だけあってたくさんの車が駐車している。
 杉本氏が地元のタクシー会社に問い合わせたところ、地元のタクシーもここまでは入るようだが、これから先は私道なので入らないとのこと。
 本当に入らないのか、それとも悪路なのでそういっているのか、一抹の不安を隠しきれないまま我々はこの先の美濃戸山荘まで車で入れるとの事で狭い道をなおも奥深く入り込む。
 4輪駆動に切り替えてガタガタ道を慎重に運転し途中橋を渡ったところで一台のタクシーとすれちがう。

 あれは何だ。ちゃんとタクシーが入っているではないか。やっぱり道が悪いのでは入らないんだなと勝手な解釈をして悪路をなおも突き進む。
 事実乗用車では4人も乗っていたら車体の下が着いてしまって本当にゆっくりでないとこの道は進めないのではないかと思われる。
 手に汗にぎる運転でようやく美濃戸山荘の駐車場へ到着。今日はここまでなので早速手続きをしてゆっくりすることにする。 

 ここは沢ぞいに立つ山小屋で水も豊富にあり、思いがけず風呂に入れるとのこと。
 しかし順番待ちでかなり待つのではないかと思い、先にビールと枝豆で喉をうるおす。
 ビールを飲み終わるころちょうど風呂の番となり、こんなにはやければビールを飲むのをもうすこし待っていればよかったと速まったことを後悔する。

 早速風呂に入り又ビールを飲み直す。外でビールを飲んでいる間に夕食の時間になっており、知らずに出遅れることに。

 夕食も品数が豊富でとても山小屋とは思えないくらいだ。風呂には入れる、夕食は品数豊富、おまけに個室ときいてる。ラッキーの一言につきる。それになによりも山小屋で働いている従業員の態度も親切丁寧でとてもよい。感激しつつ明日朝早いので20時すぎに就寝。

8月13日日曜日

 5時過ぎに起床、昨日チェックインの時に朝食は6時30分からと言われて、後で朝食をやめて弁当を2個作ってもらえないかと相談したところ、もう弁当のご飯を炊いてしまったので弁当は出来ないが、なんとかガンバッて6時には朝食が出せると思うとのことで、当初の予定を1時間遅くして7時発に修正する。
 朝食までの間、身支度を整え、不要の物を車に仕舞って朝食後すぐに出発出来る様支度をする。
 6時に朝食、これも夕食に負けず劣らずなかなかのものだ。朝食後、モーニングコーヒーを飲み、トイレをすませ、山小屋の主人にパンフレットをもらい挨拶をすませて、水を補給して出発。

 天気もまあまあで北沢経由で赤岳鉱泉をめざす。途中休憩中に50人の団体に先をこされて慌てて出発。
 途中で抜き返し以後この団体に抜かれないように気をつける。団体を抜いてまもなく道を間違えて15分ロスしてしまう。

 引き返し、沢沿いの道を進むこと2時間、赤岳鉱泉に到着。あちらこちらにテントがはってあり、ここでしばし休憩。立て替えたばかりの赤岳鉱泉はとてもきれいで水も豊富らしく登山者が大勢水をくんでいた。

 ここからしばらく樹林帯の中を歩く。ときおり吹き抜ける風が汗をかいた体にここちよく、元気を取り戻す。

赤岳山頂にて

 11時5分硫黄岳着。ここで女性に写真を撮ってくれと頼まれる。この女性聞くところによると、昨日大阪を夜行で発って今日美濃戸口につき歩いてきた単独登山だという。
 誤解のないように断って置くが女性と言っても若い子ではない。最近の中年の女性もずいぶんパワフルになったものた゛とつくづく感心する。

 ここから横岳までの間はお花畑がひろがり花が好きな人にはたまらないところである。
 最盛期は7月下旬でもう遅かったがそれでもコマクサだけは大群落を形成し、目をたのしませてくれる。
 ここまで来て、色々な花を見たとたん、藤生さんがガゼン元気をだし始めた。

 硫黄岳山荘に着いてトイレ休憩。山小屋の従業員にきいたところ今日はここに50人の団体の予約が入っているので込み合うとのこと。
 この小屋の周辺もお花畑がひろがり散策コースが設けられているが時間がないので今日はよらずに先をいそぐことにする。

 いよいよ横岳までの鎖場だ。この周辺はいつも風がつよいということだが今日は風もなく慎重に鎖場を通過する。強風や雨のときはやはりこの鎖場はちょっと怖いかもしれない。
 ここまでくると大同心のみごとな姿を見る事が出来る。横岳の真横に突き出た岩は豪快そのものだ。

 横岳頂上で昼食。出発が1時間遅れなので本来はここで1時間の昼食時間を取ってあったが30分に短縮し、最終目的地の赤岳頂上小屋を目指す。途中多少の鎖場を通り過ぎ14時20分赤岳直下の展望荘に到着。                         

 もうひとふんばりで赤岳頂上だが、頂上小屋は混んでいそうなので、ちょうど個室ありますの看板も出ているのでここで個室を頼んで宿泊することにした。

赤岳山荘

 夕食はバイキング、おまけにシャワーもあるとのこと。時間もたっぷりあるのでのんびり出来る。
 シャワーは500円で5リットルのお湯を買ってポリタンクで持っていってシャワー室で使用するとのこと。
 50人の団体の予約が入っているとのことで早速シャワーを浴びようと注文にいくと運悪くもう団体がついてなにやらガヤガヤやっている。
 3人分のお湯をもらうよう手配してもらったら団体がうちの方がさきだの何だのうるさいので藤生さんの分だけもらって我々は後にすることにした。
 談話室でビールを飲みながらタバコを吸っていると、後から入ってきた人が「昨日は赤岳鉱泉に泊まったがひのきの風呂でかなり大きく下に石を引き詰めてあってかなりよかった」と言っていた。
 もう一組の人は、昨日我々と同じ美濃戸山荘に泊まって赤岳経由でこの山荘に来たとのこと。
 途中行者小屋で会った人に赤岳頂上小屋はかなり混むので展望荘にしたほうがよいといわれたそうだ。やはりここに泊まって正解だったようだ。
 藤生さんはシャワーの後、この談話室で今日見た花のおさらいに花の本をみている。よくわかったかナ?

阿弥陀岳山頂にて

 17時から夕食、バイキング形式で食べ放題。こんな山の上でこれだけ豪華な食事がしかも食べ放題とは信じられない。やはり小屋が多いだけに競争も激しいのか。いずれにしても登山者にとっては喜ばしいかぎりである。

 夕食の後、談話室は団体さんに占領されてしまい、暗くしてなにやらやっているようだ。
 しかし山小屋の談話室はそんなことのためにあるのではない。泊める方も泊まる方もその辺のところをもうすこし考えて貰いたいものだ。
 まっ愚痴を言ってもはじまらないので我々は自炊室へ言ってお湯を沸かしてコーヒーを飲み19時に就寝。

8月14日月曜日

 4時過ぎに起床。奥秩父の山の上に日の出が見えるとのことで外へ出て拝むことにする。多少雲があり5時過ぎにようやく日の出を拝む。

 5時から朝食、夕食同様バイキング形式。

 身支度を整え、6時出発。昨日は雲が多く景色が今一つといったところだったが、今日はよく見える。
 S隊長昨日も出発前にトクホンチールをももに塗って出発したが、今日も出発前に塗って絶好調。 
 いきなり赤岳頂上までの急な登りに体が完全に目覚めていないのできつい。

 6時35分赤岳頂上。さすがに2899mの高さを誇るだけあって眺めがいい。頂上小屋でジュースを買って飲む。横岳から蓼科山まで一望出来る。

 ここから一気に下って中岳を越えて最後の登り阿弥陀岳へ。阿弥陀岳は往復するので、杉本・藤生両氏はザックをおいて私は阿弥陀岳頂上でコーヒーを飲むべくザックを背負って急な岩場をよじ登る。

 途中下山者の落石にヒヤッとさせられる場面もあったがなんとか頂上へ。ここでようやく富士山がかすかに姿を現す。権現岳も雄大にそびえ立っている。

 ここでお湯を沸かしのんびりとコーヒーを飲み最後の景色を暫し堪能し、下山する。
 登りの時にかなり岩をよじ登った分、下りにもかなり神経を使ってしまう。特に落石には細心の注意が必要だ。

 ザックを置いた場所までもどり長者小屋へと下る。長者小屋も色とりどりのテントがはられ水も豊富でとても冷たくておいしい。顔を洗って喉を潤して水筒につめなおして最後の下りへ。

 順調に下る途中、杉本さんが突然「なんだ!」ふと前をみると道を塞ぐ黒い物体。一瞬沈黙の後、かもしかであることに気がつく。そっとちかずき写真をとって偶然の出合いを喜びながら最後の登山をしめくくる。

美濃戸山荘

 11時50分、美濃戸山荘着。お茶と漬け物をごちそうになり八ケ岳をあとにする。

 富士見高原八峯園で風呂(500円)に入り、登山の疲れをいやして昼食を食べ、観音平のグリーンロッジを下見して一路沼津へ。 

 河口湖大橋のところで渋滞に会い、運転を杉本さんと交代。須走ICを出たところで又渋滞に会い、行きに通らなかった抜け道を通り246号線にでる。たしかにこの道は早いかもしれない。

 18時沼津着。3日間天候に恵まれ、山小屋も快適に過ごせ、高山植物とかもしかに出会い、充実した山登りであった。


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